コンピュータ上で機械の図面を書く場合、多くの場合はCAD(computer-aided design)ソフトを利用します。
機械設計で使用されるCADには有名なものとしてAUTOCAD、SolidWorks、NX CADなどがあります。これらのCADソフトは非常に高性能ですが、価格も高く個人ではなかなか手が出せません。
そこで今回はフリーで利用できる3D cad のFreeCADをインストール方法と簡単な使い方を調べました
FreeCAD
FreeCADはオープンソースで開発されている汎用3D cadです。
FreeCADは3Dのモデルを作成することはもちろん、3Dモデルから2次元投影図の製作、Gコード出力、モデルを用いた有限要素法を用いた解析などをおこなうことができます。
FreeCADはマクロとしてPythonを採用しています。
またFreeCADはAPIを提供し、他のソフトからFreeCADの機能を利用することができます。
インストール方法
それではFreeCADのインストールを行います。
FreeCADのインストーラは次のリンクの場所から手に入れることができます。
Github – FreeCAD release
2018/8/4時点ではバージョン 0.1.7 が最新版です。
インストーラをダウンロードし、実行すればインストールが始まります。
FreeCADのインストールは規約への同意、インストールする場所を選ぶだけなので特に迷うところはありません。
簡単な使い方
それではFreeCADを使用し、簡単なモデルの作成を行ってみます。
新しいプロジェクトの作成
FreeCADで新しい部品を作成するには、まず初めに新しいプロジェクトを作成します。
新しいプロジェクトは二通りの方法で作成します。
- 「FreeCADスタートセンター」 → 「新しいプロジェクトの開始」 → 「部品設計」
- ツールバー「ファイル」 → 「新規作成」

プロジェクトを作成したら、画面左の「コンボビュー」 → 「タスク」に「ボディを作成」が表示されるので、クリックしボディを作成します。

続いて同じ場所に「スケッチを作成」が表示されるので、同様にクリックします。

続いてスケッチをするフィーチャーを選択します。
FreeCADによるモデルの作成では、ある面に二次元の作図を行い、作図した面を押し出したりすることで三次元のモデルを作成します。
フィーチャーは作図する面のことです。
ここでは「XY_Plane」を選びます。

これでモデルを作る準備が終わりました。
続いて作図を行っていきます。
作図
それでは実際に作図を行っていきます。
作図ではツールバーのアイコンを選ぶことによって線や円を描くことができます。

今回は長方形と円を図のように作図しました。
寸法・拘束
図形を描いたら今度は図形の寸法を入れます。
寸法のアイコンは下の図のようになっています。

それでは長方形と円に寸法を入れます。

続いて長方形と円の位置を決定します。
位置を決めるためには、原点から円や長方形の点までの寸法を入れることでもできますが、拘束を用いることでもできます。
拘束は下のアイコンから選ぶことができます。
今回は長方形の位置を原点からの寸法、円の位置を円中心と原点との一致拘束で場所を決めました。

作成した図形は寸法や拘束によって位置が決定されると、線色が白から緑に変化します。
また「コンボビュー」→「タスク」→「ソルバーメッセージ」に「完全拘束のスケッチ」と表記されます。

この状態になったらスケッチは終了です。
もしも完全拘束になっていない場合、どこかに寸法を入れ忘れている可能性がありますのでチェックが必要です。
完全拘束の状態にしないとスケッチを三次元モデルにする際に不都合が生じる場合があります。
最後に「コンボビュー」→「タスク」→「close」ボタンを押してスケッチから抜け出します。
押し出し
では最後に作成したスケッチを三次元モデルにしたいと思います。
今回は作図したスケッチの押し出しを行います。
まず初めに、「コンボビュー」→「モデル」で先ほど編集していたスケッチを選択します。
その状態でツールバーにある「選択されたスケッチを押し出し」をクリック。

「コンボビュー」→「タスク」→「押し出しパラメータ」で押し出しの設定を行い、「OK」ボタンをクリック。

以上で簡単ながら三次元モデルを作成することができました。
まとめ
以上がFreeCADの導入です。
市販されている高級なCADと比べると、多少不便なところはありますが、個人で使用する分には十分すぎるものだと思います。
FreeCADはチュートリアルが充実していますので、本格的な部品設計する際にはそちらを参照してください。
FreeCADの公式チュートリアル