近年教育・趣味・産業と幅広い分野で使用されえている小型コンピュータとして、Raspberry Piがあります。
これは安価で手ごろに使用することができるのですが、別途モニターなどの入出力機器が必要になります。
Raspberry Piを使用するたびにこの入出力機器を使うのは煩わしいので、今回はWindowsからローカルネットを使用してRaspberry PiにSSH接続とリモートデスクトップ接続する方法を調べました。
実行環境
今回使用した実行環境を以下に示します。
種類 | |
Windows OS | Windows 10 |
Raspberry Pi model | Raspberry Pi 3 model B+ |
Raspberry Pi OS | Raspbian |
ローカルIPアドレスの固定
まず初めにRaspberry PiのローカルIPアドレスの固定を行います。
Raspberry PiでローカルIPアドレスの固定を行うには
/etc/dhcpcd.conf ファイルの設定を変更します。
設定の詳細は
man dhcpcd.conf で確認してください。
今回は /etc/dhcpcd.confファイルに下記のような設定を追加しました。
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interface wlan0 static ip_address=192.168.2.4/24 staric routers=192.168.2.1 static domain_name_servers=192.168.2.1 |
今Raspberry Piのネットワークには無線LANを使用しましたので
interface には
wlan0 としました。
設定するIPアドレス、ルータ、DNSについては実際に使用する環境に適した値を調べて使用してください。
ルータ、DNSの値はWindowsならコマンドプロンプトから ipconfig /all で調べることができます。
/etc/dhcpcd.confの設定を終わったらRaspberry Piを再起動させてください。
SSH接続
SSHの有効か
ローカルIPアドレスを固定したら続いてRaspberry PiでSSHが利用できるように設定を行います。
RaspbianではGUIメニュー化SSHを有効化することができます。
設定方法は以下の通りです。
- RaspbianデスクトップからRaspberryアイコンをクリック
- メニューの「設定」から「Raspberry Piの設定」をクリック
- 「インターフェース」タブの中から、SSHの有効ラジオボタンを選択して「OK」ボタンをクリック
以上でRaspberry PiのSSHを利用することができます。
ローカルIPアドレスからの接続
続いてWindowsからRaspberry PiへSSH接続を行います。
Window10ではアップデートによって標準でSSHを利用することができます。
SSH接続はコマンドプロンプトから下記のコマンドを実行してください。
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>> ssh [Raspberry Piのユーザ名]@[固定したIPアドレス] |
Raspberry Piのデフォルトのユーザ名・パスワードは次のようになっています。
- ユーザ名: pi
- パスワード: raspberry
そのため今回の設定では実行コマンドは次のようになります。
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>> ssh pi@192.168.2.4 |
実行後Raspberry Piのパスワードが要求されるので入力してください。
ホスト名からの接続
またSSH接続は固定IPアドレスではなくRaspberry Piのホスト名からでも行うことができます。
ホスト名での接続は次のコマンドを実行します。
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>> ssh [Raspberry Piのユーザ名]@[Raspberry Piのホスト名] |
Raspberry Piのデフォルトのユーザ名はraspberrypiです。ホスト名はRaspberry Pi端末から次のコマンドで調べることができます。
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>> hostname |
そのため今回の設定では次のコマンドもSSH接続を行うことができます。
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>> ssh pi@raspberrypi.local |
リモートデスクトップ接続
続いてRaspberry Piにリモートデスクトップで接続させます。
リモートデスクトップを利用するにはRaspberry Piに xrdp をインストールする必要があります。インストールはRaspberry Piの端末から以下のコマンドを実行してください。
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sudo apt-get install xrdp |
インストール後Raspberry Piを再起動させてください。
それではWindowsからリモートデスクトップ接続を行います。
リモートデスクトップ接続はWindowsのコマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。
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>> mstsc |
起動すると接続するコンピュータ名を要求されますので、今回固定したローカルIPアドレスRaspberry Piのホスト名を入力してください。
その後Raspberry Piのユーザ名・パスワードを要求されますので同様に入力すればリモートデスクトップで接続することができます。
まとめ
- Raspberry Piの固定IPアドレスは /etc/dhcpcd.confから設定できる
- Raspberry PiへSSH接続するためには先にSSHを有効かする必要がある
- SSH接続はコマンドプロンプトから ssh [Raspberry Piのユーザ名]@[固定したIPアドレス] or ssh [Raspberry Piのユーザ名]@[Raspberry Piのホスト名] で行うことができる
- リモートデスクトップ接続を利用するためにはRaspberry Piへ xrdp をインストールする必要がある